神奈川県 川野 士郎
私は、2005年(平成17)『掃除道』(鍵山秀三郎、亀井民治編) を読み、ひとり掃除を始めました。本には、講演会での鍵山相談役と学生の質疑がありました。
「私は大きなことをするために大学で学んでいます。掃除のような小さなことをしていては大きなことができないのでは」と問う学生に対し、相談役は「貴方はバス停で待つ人の足元のゴミを拾えますか。勇気がなければ拾えません。心の抵抗を越えることで鍛えられます。私はゴミをただ拾うことが目的ではなくて、日本をゴミのない立派な国にしたいと思います。これが小さなことだと思いますか」と答えた文章を読んで、思っていても、恥ずかしくてできなかった、私の心のモヤモヤが一気に晴れました。
その後亀井様のご紹介で、鍵山相談役に草取り、笹竹切り、落葉掃きなどを教わりました。作業はとても工夫され無駄がなく、掃除の後は場の空気が違ったことに驚き、感動しました。そしてその後は、不思議なことにゴミ拾いや草取りなどをすることが楽しくなったのです。
コロナ禍で、昨年からほぼ在宅勤務となり、平日は4時頃から毎朝約2時間、最寄りの新百合ヶ丘駅の周回約3・5kmを掃除しています。草取り、排水溝掃除、落葉掃きなどを、日によって場所を変えます。休日は公園を掃除します。掃除をやっていて嬉しいのは、地域の方から挨拶や感謝のお声かけを頂くことです。
志は大きく、しかも他人に言い続けることで本物になると聞いて、昨年「掃除を世界に広め、掃除で世界平和を実現する」の志を立てました。まず自分の住む街を地域の方々が誇れる美しい街にし、そして世界平和に貢献したいと念願しています。