第11回関西ブロック大会 コロナに負けへんで

大会実行委員長 町田 豊彦

  • 日程 2020年(令和2)
      10月24日~25日
  • 掃除場所 天王寺動物公園
  • 参加 講演会 180名
      ズーム参加 82名
      交流会 80名
      掃除実習 125名

開催するかどうか悩んだ半年

コロナ禍で、全国唯一リアルで開催したブロック大会について、皆様のご参考に報告致します。

3月から準備を始めました。新型コロナの全国的感染で、他の地域が開催を中止していく中、家族の反対や会社からの自粛指示もありました。そして、リスクは誰が負うのか、密になる講演会や特にお酒が入る交流会の対応はどうするのかなど、さまざまな不安があり、開催すべきかどうか議論しました。

そんななか、鍵山相談役の「ひとりでも良いので続けてほしい」とのお言葉が伝わって、開催へ向けての勇気を頂きました。10月頃はコロナも収束に向かうだろうと願って、テーマを「なにわでお掃除ー一陽来福への祈りを込めて」としました。当時吉村大阪府知事が、感染状況の独自基準「大阪モデル」を発表しました。私たちも、「コロナ禍における大会モデル」として、「正しく恐れる」を合言葉に感染しない方法を徹底的に工夫することにしました。感染対策委員会を設け、皆が前向きな気持ちになって結束していきました。

具体的な方策は、以下です。

コロナ対策

○ 講演会での工夫

配付物は全て事前セットして極力接触を避ける。常時、換気する。受付は三密を避け、マスク着用→検温→消毒→受付の順とする。大ホールは、収容人数644名のところを4分の1の150名に制限し、会場に来れない方にはズームでオンライン参加を募る。マイクは、担当者をつけ、使用の都度消毒する。

○ 交流会の工夫

会場は、180名収容のところを、先着80名に制限し、かつ円卓の間隔を空けて4名席とする。時間を通常より15分短縮し105分とする。食事は、箸や食器の接触を避けるためにお弁当形式とする。食事中は会話せず、終了後はマスク着用とする。

○ 掃除実習

120名に制限し、密を避けるため、一班5名の少人数編成、班ごとに掃除道具を細かく分け、事前に現場に配置する。

以上の方策を、現場で何度も予行演習し、安心できるまで確認していきました。そして、会場使用不可との行政通達が出れば中止という前提で、予約キャンセル期限ぎりぎりまで待って、皆に賛否を問いました。その結果、開催することにしました。

そして当日

前年の京都大会に匹敵する多くの道友の参加を頂きました。

講演会は、甲子園通算勝利数68勝、監督として歴代最多出場記録38回を誇る、智辯学園和歌山高等学校野球部名誉監督の髙嶋仁氏にご講演頂きました。「甲子園で勝つことはできても、勝ち続けることは容易ではない。そのためには、挨拶や掃除といった基本を徹底して教え、人間性を高めていかなければならない」 鍵山相談役の「凡事徹底」にも通じる、説得力あるお話に感激しました。

交流会は、過去の関西ブロック大会の懐かしい映像を映しながら、静かな会食で始まりました。食後は、日本人の良き心を伝えたいと、童謡の普及活動をしている、もり・けん様にハーモニカ演奏を頂きました。懐かしさで皆さん歌いだし、笑顔と涙の心温まる時間となりました。

2日目の掃除実習は、天王寺動物公園の4カ所が会場です。①大阪冬の陣で徳川家康、夏の陣で真田幸村が本陣を置いた茶臼山、②黒田藩蔵屋敷長屋門の壁みがき、③大阪市立美術館の草取りと階段みがき、④大阪名所「新世界」から動物園の上を通る空中ゲートのグレーチング(下写真)。

秋晴れのもと、気分も爽やかなお掃除でした。

まとめと反省

閉会式で、阿部豊様から、鍵山相談役のお言葉を紹介頂きました。コロナ禍で、中止する理由はいくらでもあった中で開催したことへの感謝のお言葉があり、参加者全員感動で一杯になる瞬間でした。参加者からは「よくぞやってくれた」「関西に学ぼう」「心遣いが行き届いていた」などの感想を頂きました。

反省点は、お酒への対応です。交流会では、特に飛沫感染に注意を払いましたが、食事後のマスクの着用が散漫となりました。今後は、お酒を飲むときのマスクエチケットの徹底が課題だと思います。感染者が出なかったのは、対策の効果だけでなく、全国的に感染状況が収まっていたという運もあったと思います。

鍵山掃除道の継承と発展のためにただならぬ情熱を結集して臨んだ今大会では、多くの知恵と工夫が生まれたと思います。それらを経験したことで、スタッフの信頼関係は深まり、大きな成長と自信を得ました。大会を通して出会えた道友とご縁を深められ、新たな道縁のきっかけにもなりました。「やっておいて良かった」大会であったと思います。