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第14回長野県中学校 清掃サミット

「清掃活動」学校横断の取り組み

長野便教会 太田 智明

■日程 2021年9月5日(日) 9時半~11時半
■場所 オンライン
■参加 12校(長野県10 県外2) 67名(中学生31 先生27 一般9)
 コロナ禍により、本年2月に続く2回目のオンラインで、県外から姫路市立四郷学院と福岡市立和白丘中学校も参加し、過去最高の12校で開催されました。

清掃サミットのはじまりと願い

 2008年(平成20)に始めた経緯は別の機会に譲りますが、ねらいは「清掃活動」の学校横断の取り組みを行うことです。
 部活動と違い、清掃活動は生徒どうしの交流がないので、伝統という名のマンネリ化や、改善するにも何をどうしてよいのかと困っている学校があると思います。
 これを改善・脱却するために、自校の課題を出し合い学び合って、より良くしていく―そうした気づきや工夫の積み重ねが、子どもたちの人生を豊かにする―そんな願いで「長野県中学校清掃サミット」を開催しています。

オンラインの実践発表と討議

 第12回まで、「午前掃除実習、午後意見交換」で実施していましたが、南北に長い長野県では、県の北部での開催だと、県の南部からは参加が難しい状況でした。
 しかし、オンラインになったことで、県の南部にある箕輪町立箕輪中学校が今回初参加に加え、県外からも2校の参加がありました。これはオンラインだからこそ実現できたと思います。
 実践発表では、まず四郷学院からSDGsと関連付けた朝のゴミ拾いなど地域に目を向けた取り組みが発表されました。続いて、箕輪中の発表では「お掃除に真剣に取り組むことは、人生につながる」という、鍵山掃除道に通ずる発表があり、大人もうなりました。その後5班のブレイクアウトで、共通の課題や話題を出し合って、話し合いました。司会進行も生徒に任せました。

生徒の感想

○四郷学院は、雑巾をリペアして隅を掃除する「隅っこ棒」を作るなど、SDGsを実践していてすごいと思いました。箕輪中は清掃の三本柱(「かたち」「気づき」「無言」)を大切にしていて、参考にしたいです。

(佐久穂中)

○参加校の取り組みはすごくて僕たちは放送を取り入れてみようと思います。今年始まった『プラス「1」清掃』や伝統の「クモの巣ゼロ」を他校と交流できたことを本当にうれしく思います。

(福岡・和白丘中)

○四郷学院は、黙想を掃除の後行いますが、長野県では掃除の前だと知って驚きました。他県の中学生と話して、頑張ろうと思いました。

(姫路・四郷学院)

○来月縦割り清掃をします。三昧チェックカードを使おうと思います。無言清掃をするために、他学年との交流やポスターでのよびかけなどの意見をもらいました。清掃をさらにレベルアップするように活動します。

(清水中)

○常盤中では私語が減らず、清掃の意識が低いので、他校に学ぶことが多くありました。委員が赤い手ぬぐいをかぶって率先する箕輪中や、四郷学院の隅っこ棒(写真)など、工夫や伝統を大切にしていて、とてもよいと思いました。オリジナルな工夫をすると意識も高まると思いました。

(常盤中)

○自分たちに足りないモチベーションについて話が聞けて、自分も何か企画を作っていきたいと思いました。サミットは2度目でしたが、前回と違うことを聞けて楽しかったです。

(篠ノ井東中)

○清掃の大切さを再確認しました。モチベーションを上げると掃除の質が向上し、それが勉強や将来にもつながると学べたのが大きかったです。校内放送でほめたり、賞状を授与したりすることが参考になりました。サミットは本当に良かったです。

(豊野中)

○自分たちと違う清掃をしている学校があることにびっくりしたし、気になっていたことも知れて、すごくよかったです!清掃は人生につながるなんて考えたこともなかったので、本当に素敵な会でした。

(信濃小中)

○サミットはいい緊張感があり、自校紹介がおもしろく、参考になりそうなものばかりでした。グループ討議は多くの意見や質問が出て、あっという間でした。どの学校も「縦割り清掃」が効果的だと言っていて、墨坂中もやってみたいと思いました。

(墨坂中)

○「縦割り清掃」の話が聞けてよかった。自分の学校と違う点や、自分たちはできていることが課題の学校があって、教え合ってとてもいいと思った。

(三郷中)

○「移動中の私語」と「気づき清掃」について、意見を出し合いました。「黙想の目的」や「何のために清掃するか」考えている生徒が少ないとわかり、私たち3年生が手本とならなければと思いました。

(更北中)

○各学校のたくさんの案や企画が、すごいと思いました。「全校の清掃をよくしたい」と思っている人たちで話すグループ討議は、とても充実したものでした。今よりももっといい箕輪中の清掃を目指していきます。

(箕輪中)

まとめ

 グループ討議では、清掃に対する意識の個人差をどう埋めていくかが主に話し合われたようです。意見交換によって、生徒たちの意識が高まりました。前回は生徒会を引き継いだばかりの2年生が、今回3年生になって再び参加してくれた子が多かったです。今後2年生への引き継ぎを迎え、自分自身を問い直す姿も深まったように感じました。
 今後、「冬と夏の年2回開催」する意味もここにあり、こうした生徒さんが育ってくれれば、長野県、そして日本の将来は明るくなると思います。(383-0021長野県中野市西2-9-2)