子どもの歓声が戻った公園
愛知県 水野 庫次
水野庫次さん(78)は、2009年9月に大木が生い茂って暗く、子どもの遊ぶ姿も見えない公園を目にし、以来月に数度掃除してきて、今は子どもの歓声が聞ける地域憩いの公園になりました。
小さな三角形の春日公園(写真)
自宅から徒歩5分の、500坪の小公園です。そのころは、指定業者が年に2~4回掃き掃除と草取りをしていました。
ある日の早朝散歩で、季節外れの落ち葉の山と、瓶缶、吸殻や犬の糞も散乱する汚れ放題の園を見て驚きました。草が生えている50㎝四角の個所の草を除くと、草の細根と砂泥が詰まったグレーチングが現れて、再び驚きました。道具を取りに帰り、落ち葉を掃いたのが最初でした。台風が直撃した際には、木の太枝や落ち葉が大量に散乱し、2日で45㍑袋60袋集めました。
それ以来、月に3~5回、落ち葉の季節は週3回掃除をしています。春から夏は草抜きです。L型側溝は土が残らないよう、また子どもがけがをしないよう、小石は念入りに拾います。
今の春日公園
1年経ったころから、声をかけてくださる人も出てきました。公園がきれいになってくると、遊ぶ子どもも増え、幼児連れのお母さん方も見かけるようになりました。6年前に市が樹木を半分伐採して明るくなり、今では子どもの声が絶えない公園となりました。
台風の後、掃除を手伝ってくれたお母さんに付いてきた当時1歳のオオバ君は中学3年生になり、ときどき手伝ってくれます。手伝ってくれる子どもさんに、掃除の大切さなどを話します。子どもは、素直で感受性が豊かで、ごみを捨てたりする子どもは少なくなりました。
掃除と人生の恩人梅村昭博様
1991年ころ、取引先の会合でご一緒した梅村昭博様は、その後会社の全体朝礼テープを送ってくださったり、掃除に学ぶ会にお誘い頂いたり、掃除道や人としての生き方を学ばせて頂きました。晩年、相談があるたびに電話をくださり頼りにしてくださいました。梅村様のご紹介でご縁を頂いた方々とのご縁は、私の宝物です。
鍵山秀三郎相談役
1999年、梅村様に鍵山相談役、田中義人顧問をご紹介頂きました。相談役は、講演を頂いたり年次大会では身をもって掃除を教えて下さいました。63歳で定年退職後はイエローハットに入社、多くの学びを頂きました。
田中義人顧問
大正村や各地の年次大会、さらに幹部を引率しての会社見学やお話を拝聴し、私の会社でも朝礼前の掃除を始め、定着しました。さらに、顧問が一人で始められた近所の神社の掃除は、私のひとり掃除のお手本です。
徐重仁台湾美化協会創会理事長
台湾美化協会の年次大会には、2003年の第1回から、コロナ前の2019年の第17回まで毎回参加しています。徐様に頂いた本から、台湾に貢献した八田與一ら各地で神として祀られる日本人のことが学校で教えられていると知り、両国の歴史に深い感動を覚えました。
最初は私たちが教える立場でしたが、そのうち「台湾の方たちに学ばねば」と気が付き、相談役にお話しすると「そうでしょう。私も同じ思いです」と・・。台湾と日本の深い絆が続くよう、微力ながら貢献したいと思います。
ひとり掃除の良いところ
好きなときに、好きなところを、気のすむまで徹底してできることです。どこが汚れやすいか、どうすれば効率よくきれいに掃除できるか、相談役ならどんなやり方をされるかなどと考えながら、掃除しています。この様子をSNSで発信して、掃除を始める方が出たことも励みです。
(440-0821豊橋市春日町2-134-6)