若手の「鍵山教師塾in朴の森」
京都掃除に学ぶ会 時政 和輝
■目的
①掃除を通して鍵山相談役の生き方に学ぶ ②自分の持ち場で実践し、相談役の志を継承する。
■日時
7月29日(土)朴の森・鍵山記念館
〇施設見学・講話
朴の森 鍵山幸一郎代表
〇グループ討議 テキスト『凡事 徹底一日一話』(PHP研究所)
〇掃除道具準備・懇親会
7月30日(日)防府市立牟礼中学校
〇朝礼・道具説明
〇トイレ掃除実習 閉会式
○参加 20~40代前半の24名
岩手県から山口県まで
教師、会社員、経営者、学生
実行委員長山﨑敏哉(東京便教会)、事務局長西橋聖次(大阪便教会)で、1年準備をしました。
一日目
グループ討議。①掃除実践にあたり、自分に必要と思う言葉 ②自分の人生・仕事をよりよくすると思う言葉、を事前に考えてきて話し合いました。
懇親会には、広島掃除に学ぶ会の井辻会長も駆けつけ、ウクレレを披露いただきました。締めは、「掃除節」で、翌日の実習への思いを一つにし、親睦を深めました。
二日目
牟礼中では、半年前から鍵山掃除道を実践し、当日は生徒会から4名、総員40名弱が参加。井辻会長から、トイレ掃除で広島の暴走族が解散した話や、荒れた学校が29年ぶりに体育祭を開催できるようになった話を聞きました。
生徒の感想
「『汚れが取れないことも学びだ』という言葉が胸に残った」「目に見えない汚れを手で触って確認することの大切さを学んだ」「掃除を続けることが大切で、高校に入っても続けようと思う」「みなさんのやる気満々な姿をみて、僕も頑張ろうという気持ちになり、気がつくと便器に頭をつっこんでいた」など。
この日牟礼中の図書館に鍵山相談役の著書が寄贈され、鍵山文庫が設置されました。
参加者の感想
○人は幸せになるために生まれてくる。大切なことは、心の充足感だと教えていただいた。掃除は心を磨き、仲間をつくり、一人ひとりが豊かになり、会社が家族が、そして地域が日本が世界がより良くなる小さな取り組みであると学んだ。
(40代男性・会社員)
○掃除に学ぶ意味を学んだ。やり方ではなく、各々が抱えている悩みを解決するヒントを得ること。勉強でも仕事でも、学ぶタイミングは多くある。掃除の会に参加する方は、学ぼうと意識を持って参加しているため、気付きが多く、掃除の尊さをより感じているのだと思った。今回、素直に参加を決めたことを今は誇らしい。
(20代男性・会社員)
○人は、楽な方向に行きたくなる。その人の価値観は、食器の片付けやレジでの支払いなどの、何気ない動作に出てしまう。その一瞬に「自分がどのような人か」が露呈していると思うと、学ぶべきことはたくさんあり、それに自分が気づけるか否かだと感じた。
(20代女性・大学生)
○掃除を続けると、譲れるもの、許せるものが増えていく。そんな心の幅が広くなる生き方ができれば最高です。掃除を通して思いやりの心を学ぶ。人生も経営も仕事も同じだ。そして、昨日より1ミリでも思いやりの心が深くなり、行動に移せるようになる。日常をいい方向へ変化させていきたい。 (40代男性・経営者)
(600-8361京都市下京区堀之上町531 303号)
夢拾い700回の拡がり
広島県 上野 和浩 (編集 吉岡佑峰)
「ゴミ」ではなく「夢」拾い。この世界平和を願う活動は、2010年7月3日に生まれ、毎週土曜日、13年間一度も途切れることなく続きました(「清風掃々」第38号)。
2023年8月26日(土)、第700回。地元東広島市の高垣廣德市長、大阪や愛媛などの道友、こども5名を含む36名が節目を祝いました。
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集合時間の4時半は大雨。朝礼で恒例のミッションを唱和し、その後市内の酒蔵通りなど5班に分かれて始めました。1時間後に集合、飲料ボトルの分別、洗浄、プレスをおこない、「良いところ探し」の感想発表。そのとき、なんと雨が上がり、JR西条駅の上空に虹がかかったのです。7時から感想発表をおこない、上野から継続者への表彰と金メダル授与、夢拾い相談役の鍵山秀三郎さんのビデオを観て、学びを深めました。
感想発表
・雷も鳴りどうなることかと思いました。夢拾いの「ありがとう」の連鎖で、清々しい気持ちです。
(高垣市長)
・2010年大学に通う道で偶然出逢って卒業まで1年参加しました。今日は、妻と生まれたばかりの娘を連れて帰ってきました。
(愛媛・田中洋平)
支部の拡がり
全国の一人掃除をする道友に広がり、67支部を数えます。
主な支部の声
・町内でトップクラスの交通事故が起きる交差点で始めてから、劇的に交通事故が減りました。
(栃木県上三川町支部 和知諄叡)
・ゴミを「夢兄妹」と呼び、週1回トラックで拾っています。12年目になりました。
(宮城県登米支部 日下修)
・2014年に立ち上げた岩国支部、私が2代目を引き継ぎ、楽しく夢を拾っています。
(山口県岩国支部 秋山修人)
・夢拾いを始めて6年。勤務地で、側溝の土砂あげなどを約1時間おこなっています。お陰で、隣近所と声をかけ合う仲となりました。
(広島県温品支部 栗栖豊翠)
・6年前から毎日夢拾いをしています。700回継続されてきたメンバーの団結力に感動しています。
(呉市阿賀支部 中村隆行)
・2020年上野さんに誘われ、昨年初参加しました。今年は継続が第一目標。夢拾いグループLINEが背中を押してくれています。
(広島市草津支部 遠山章枝)
・夢拾いをすると、自分の心の汚れが取れます。一日の始まりがとても気持ち良くなる自分磨きです。
(石川県夕日寺支部 西田京子)
夢拾いの夢
夢拾いのミッションは恩返しと恩送りです。本気でより良い日本をクリエイトして、地球さんを浄化していきましょう。世界の恒久平和のお手伝いです。
2022年1月、第3土曜日に「こども夢拾い」が立ち上がりました。吉盛晴ちゃん、大森愛来ちゃんたち、子どもたちが自分の住む街をきれいにしています。ありがとうございます。
(739-0007広島県東広島市西条土与丸3-1-15)
名古屋平和公園のトイレ掃除
名古屋掃除に学ぶ会 大塚 久利
当会は2006年設立で、毎月名古屋テレビ塔周辺の街頭清掃をしていました。しかし代表の安藤友治さんが仕事の都合で辞められ、2023年3月に活動が中止となりました。誠に残念ですので、中継ぎとして、4月に大塚が代表を引き継ぎました。従来の街頭清掃は第3日曜日に実施し、新たに名古屋平和公園のトイレ掃除を第2日曜日に始めました。
汚れに汚れたトイレ
大戦の空襲で名古屋が焦土化し、戦後279寺18万基のお墓を移転した平和公園。広大な敷地は、祈りの場であるとともに市民の憩いの場所です。しかし12か所のトイレは大変汚れており、周囲に悪臭を放っています。
ここの汚れは、今までのやり方ではまったくきれいになりません。やり方を工夫し、覚悟を決めて挑まないと取れません。「きれいにしたい」の原点に返り、動員を目的としない広まる会にしたいです。人のためにする楽しさ、自分も良くなり世の中も良くなり、みんなが幸せになることを、若い人たちに伝えていけたらと思っています。
参加者の感想
皆様のご参加に心より感謝しています。高野修滋先生のお許しを得て、便教会新聞184号、186号から感想を引用させていただきます。
○車を降りた途端、悪臭が鼻をつき、便器の汚れがどれほどのものかが想像できました。3時間取り組みましたが、満足できる状態にはできませんでした。しかし、「掃除の原点」を確かめる会となりました。
東海学園大学の女子学生2人は、尿石に怯むことなく取り組み、私たちが圧倒されました。適した道具がないなか、一人ひとりが汚れにどう挑むのかが試されました。小さな汚れにイライラしたり、集中力に欠けて他の汚れに目が行ったり、この辺で止めようかと弱気になったり、楽に流れようとする自分と葛藤しながら、目の前の汚れ(自分)と闘いました。掃除に出合って25年、始めたころの自分に出合えたようでした。 (高野修滋)
○1つの便器に3時間、腕も痛く足も痺れましたが、爽快感は初心を思い出しました。
戦災復興の場のトイレ掃除に学ぶ大人の本気を、次世代に繋いでいきたいです。 (池永重彦)
○途中でぺースダウンし、隣の便器を見ると、自分の倍くらいきれいでした。この違いは、もうひと踏ん張りした集中力の差だろうかと考えました。仕事でも、もういいやとやめる自分か、もう少しがんばる自分か。誰が見てなくても、自分は自分がどうしたかを知っています。
たくさんのお墓、墓碑を見て、亡くなった方々がこの平和を作っているのだと、複雑な思いでした。 (小池遼太)
○便教会新聞184号を読み、自分が見失っているものに出会えると直感し、長野から車を走らせました。汚物にまみれた大便器に少し腰が引けました。尿石の匂いが鼻をつんざき、あふれる汗が目にしみました。ただ目の前の汚れに向き合いました。納得のいく仕上がりではないのに、感動したのが不思議でした。
大塚さんの覚悟に共鳴して駆けつけた仲間、1時間半前から尿漉しを磨く高野先生のような熱量が、感動に導いたのだと思います。この熱量を持って、地元の月例会やひとり掃除に臨み、職場改善にも再挑戦したい。平和公園トイレ掃除は私を本気にさせる機会でした。 (牛山大輔)
(464-0846名古屋市千種区城木町1-25-2)
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毎月1か所で、12か所を一回りするには1年かかるそうです。20年くらい前のトイレ掃除が体験できる場は、今そうありません。行くなら今!
(編集 編集室)