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第300回栃木掃除に学ぶ会

■日時 1月7日(日) 
6~7時半
■場所 JR宇都宮駅前
■参加 26名
 1997年10月、植木政行(植木鋼材)、鈴木健夫(ヘイコーパック)、阿部真一(晃南印刷)の3氏で発足させた「栃木掃除に学ぶ会」。毎月第1日曜日の朝6時から、休むことなく続け、第300回を迎えました。    (取材 編集室)


栃木掃除に学ぶ会の主な活動
 他に、2000年からオリンピック年ごとに「日光二社一寺世界遺産大会」を開催(2023年から毎年)。2011年から「国道50立体交差」、2013年から「JR鶴田駅前」、そして学校トイレ掃除など活発に活動しています。
 今回も、道具管理、運搬車などは、植木鋼材さんとヘイコーパックさんが分担し、発起人3氏の企業さんがよく連携していました。
加感想 見事な活動でした。


(1)手順が定着。 時間は予定通り。準備や清掃は皆が分担、きびきびしていました。資源ゴミのキャップ・ラベルはがし、洗浄、分別。ゴミ袋は洗って再利用。
 感動は、「キャスター付き移動湯沸かし器」(写真)です。お湯を入れた粗-中間-仕上のタライは約10個、厳寒の中ペットボトル洗浄も快適でした。なおこの器械は、山形と山梨の会に寄贈されたそうです。
(2)若い人が多い。エネルギーと活気があり、またフレンドリーでした。2017年代表世話人が原田孝之氏(50)に若返ったこともあるようだと聞きました。
 終了後、道具を植木鋼材に運び、保管庫に格納し終わるまで、何人もの人が手伝う様子にも感銘を受けました。原田氏は途中、元日発生の能登地震の支援に出発、頭が下がりました。

お客様の喜びは社員の喜び

ア・アンド・ホテル社長 三森 中

 ビジネスホテルと健康ランドを経営する、㈱クア・アンド・ホテル。
 お客様への3つの約束「最高のおもてなし」「完全な安全性」「徹底した清潔さ」を掲げる。コロナで3年間休止した「掃除に学ぶ会」が、2023年度再開した。ビジネスホテル(山梨県)と、健康ランドは石和(山梨県)、信州(長野県)、駿河(静岡県)の3か所で、年間100万人以上のお客様を迎える。
(取材 編集室)


健康ランド掃除に学ぶ会
 2023年度、信州は10月、石和11月、駿河今年2月7日開催。
 駿河は417室を擁する大施設で、参加者101名は、掃除班と食事の11班に編成された。
 全館休館で工事・設備メンテ日の開催。停電でエレベーターや照明が使えず、水道も使えません。
 水はポリタンクの限られた水を大事に使い、照明は小さなランタンが班当たり2個のみでした。12階の班は、階段を歩いて上がりました。
 伊東と山梨掃除に学ぶ会が、道具などを協力しました。
(参加者の感想)
「電気と水がなく、東日本大震災のときを思い出します。かえって便器磨きに集中できた」など…「与えられた条件で知恵を出し工夫する」貴重な経験でした。
 以下、三森社長に聞きました。



掃除を経営に導入した経過を教えてください。
 2010年鍵山秀三郎著『掃除道』を読んで感動し、日本を美しくする会を調べると、山梨掃除に学ぶ会がありました。すぐ、清水徹代表世話人(当時山梨県警警察学校長)に、話を聞きに行きました。
 清水氏から「一度学校のトイレ掃除に参加されませんか」と勧められ、幹部数名と参加しました。そして「これはとても良いことだ」と感じて、会社に導入しようと思いました。聞けば、清水氏は翌年定年退職予定だとか。清水氏は仕事をご予定のようでしたが、口説いて取締役として来てもらいました。
 翌年4月清水氏入社。6月には、石和駅前の街頭清掃を幹部2、3名で始めました。清水氏は先頭に立って会社の掃除活動を引っ張ってくださいました。
 2014年5月、日本を美しくする会の応援もいただいて、「第1回駿河健康ランド掃除に学ぶ会」を発足。その後、信州、石和でも発足させ、年に一回活動してきました。
 学ぶ会には、従業員やテナントさん、他ランドの幹部や私と妻も参加します。テナントさんにも、施設に愛情を持ちお客様を大事にする心を育てるためにも、参加いただいています。掃除は、接客の仕事をする人々にとって、心を磨く人間学となると考えます。


従業員教育に力を入れておられますね
 「会社の成長は社員の成長があってこそ」と、自立型の社員をつくろうと力を入れています。
 まず読書感想文、掃除同様人間を磨くために、社員は年に4冊、パートの方も1冊読んで書きます。
 「おふろ甲子園」は、接客や清掃などのソフトが選考対象で、全国数十か所のお風呂施設が競います。過去5回開催のうち、3つのランドはそれぞれ優勝しました。社員やパートさん、テナントさんなどランドの全員が力を合わせ、気持ちが一つになるとても良い機会でした。
 「伝書鳩」という提案制度があります。お客様に褒められたことや意見などを、全員が毎週一件提出します。お客様のご不満を知ったり、またコロナの時期「感染が怖い」という声が寄せられたときには、お客様と従業員を守るために「全館休業」を決めるなど、経営判断にも使います。私はすべてに目を通して返事もし、それを幹部が共有します。その他研修派遣通信教育など、業務に役立つ勉強を後押ししています。表彰もあります。

信州健康ランド おふろ甲子園優勝(2014年)


お客様や従業員を大切にする、立派な経営をされていますが
 創業者の父や鍵山相談役の求根塾で学んだり、本を読みます。
 父は、1979年ビジネスホテルを開業しました。健康ランドが名古屋に生まれたときに、父と視察に行きました。
 家族連れなどでにぎわい、楽しそうに過ごしているのが印象的で、「健康ランドのスタイルに、当社がやっているビジネスホテルをくっつける」モデルを考えつきました。
 私は27歳で東京から帰り、1989年の石和健康ランド設立とともに社長になりました。7年後の信州健康ランド設立までは仕事をこなすだけで精一杯で、現場でやりつつ学びました。当時、売上に対して大きな借入を抱えたときのバブル崩壊で大変でした。
 ホテルとお風呂を中心に、食事処やマッサージなどを付け足していきました。お風呂と宿泊と飲食、どれも「小さなことを少しずつ改善する」ことにしています。


お客様の声が原点
 創業以来ずっと大切にしていることは、お客様のことを本当に大切に思い喜んでいただくことです。
 社員はお客様の声を聞き、お客様の喜びのためにできることを考え、具体的な意見を会社にぶつけてくれます。
 健康ランドを愛しているからこそのご意見であり、苦情までもすべてがありがたいです。
 企業理念は「お客様の喜びは社員の喜び 社員の喜びは会社の使命」、「改善改善、また改善」の毎日です。(三森氏、ここまで)

お客様、従業員の声
・(お客様)清潔であり、皆さんの挨拶ですね。明るく感じが良かった。
・(同)お風呂屋さんは他に一ぱいありますが、ここが一番好きです。
・(社員)会社は社員の成長をとても大切にしてくれ、伝書鳩の意見にも社長が回答してくれます。一生健康ランドで働きたい。
・(テナントスタッフ)ランドとテナントはいつも一緒、二人三脚です。私は健康ランドが大好きです。

便器製造工場見学

大阪府 愛原 啓介

■日程 2月28日(水)10~12時
■場所 TOTOサニテクノ
    滋賀工場
■参加 5名
 
 「トイレ磨き」でいつも接している便器、大阪掃除に学ぶ会の有志で便器製造について学んでおきたいと、工場見学に行きました。
 メーカーさんは、さまざまな開発をしてきており、初めて知ることも多く、興味深い見学でした。大きな開発テーマは、「節水」と「汚れ付着防止」でした。
(以下、見学とTOTO資料より)

「節水」と「汚れ対策」 両立技術
○便器表面=セフィオンテクト

 汚れがつきにくく落ちやすい施釉(せゆう うわぐすり)加工。百万分の1~2ミリの大腸菌を付着させない滑らかさを追求。1999年開発。他メーカーも同様製品開発。
○洗浄方法=トルネード洗浄と
 フチなし形状、「きれい除菌水」
 渦を巻くトルネード水流により洗う。フチなし形状により汚れがつきにくく、手入れもしやすい。
 ウォシュレットは、水道水中の塩化物イオンを電気分解し、次亜塩素酸水(きれい除菌水)でノズル洗浄。この水は、便器内の見えない汚れを自動分解・除菌し、2時間で真水に戻る。


○排水方法=サイフォンの原理と滑らかな排水管
 サイフォンの原理で汚水を引き込む。便器トラップもセフィオンテクト加工で汚れがつきにくい。


トイレ磨きで気をつけること
 この25年で製造された便器は、汚れのつきにくい特殊表面加工されているため、状況を見ながらできるだけ柔らかい道具を使いたいと思いました。
 諸先輩から「便器(相手)を傷つけないこと」と教えられてきて、これを守りたいと思った見学でした。
*TOTO推奨 「研磨剤入りナイロンたわし、紙やすりなどは陶器表面を傷つけますので、使用しない様にお願いします」