私の周りを見回して思うに、川柳をやっているとボケないのでは? 電車でも歩きながらでも五七五と指折り数えてアタマを働かせているからでしょうか?
川柳ワンポイントアドバイス
「具体的な言葉を用いる」
△困難があればその分福来たり (東京都/池田啓一郎)
人生山あり谷あり、きっと啓一郎さんの体験からの実感なのでしょう。ただこのままでは川柳作品としては、金言のようになってしまいます。
○添削句
困難を耐えてようやく芽吹く春
「芽吹く」という具体的な言葉を入れ、冬を耐え抜いた木の命と作者の人生への思いを絡めて詠んでみました。
*お題「難しい」入選作 13名39句
むじゅかしい笑顔で描くママの顔
(大阪市/渡邊稔子)
・上五の幼子の言葉がこの句の魅力。こんな楽しい「難しい」もあるのです。
右は丸左は四角指揮をする
(松戸市/佐藤誠)
・なんと、右と左、丸と四角の言葉で難しさを表現されてお見事!
空仰ぐ世界の紛争止まらない
(東京都/川野士郎)
・惜しむらくは中八になったところですが、上五に作者のやりきれない心情が表された佳句です。
難病の宣告外は蝉しぐれ
(高槻市/岡本 悠)
難しいキラキラネーム孫に付け
(大阪市/川端日出夫)
難しい顔を被って席に着く
(草津市/宇野弘子)
難しい言葉並べて責めてみる
(大阪市/伊藤惠子)
亡き父の小難しさも今は好き
(宝塚市/巽 郁子)
哀しみと難しいのがいいんだね
(大阪市/池永重彦)
難しい顔した父の喜寿祝い
(泉佐野市/古谷りり)
50号お題「祝」(6/15締切)
51号お題「歌」(9/15締切)
s.f777.ikenaga@gmail.comまで。
ご一緒にLet’s川柳!
中川千都子(なかがわちづこ)
心理カウンセラー、川柳作家。
川柳専門誌『現代川柳』編集長